もう鬼籍に入られた壮年の男のお客様で、時々、「田舎に干物を送る」とお見えになった方がいました。「どんな干物を送りましょうか?」と伺うと「見たことないほどりっぱで食べたことないほどおいしいやつを頼む」と決まっておっしゃいました。
私が「田舎の方はいただき物をご近所に配ることが多いので枚数がたくさんの方がいいのでは?」と言うと、「田舎から出てきた俺がちゃんと暮らしていて、すごいものを送ってくれたと思って欲しいんだ。それが男の見栄なんだよ。」と笑っていました。 私は年老いたご両親様や、田舎で家業を継いだご兄弟のお顔を勝手に想像して「男の見栄」ってかっこいいなあと胸を打たれ、一番いい干物を一生懸命選んでセットにした事を、不況のこのごろ思い出します。
見栄って自分の為に張るのではなくて、誰かを安心させたり、喜ばせたりするために張るんだなあと思わせてくれた大好きなお客様でした。
男の見栄セット
特上あじ大・・・・2
かます大・・・・・・2
特上金目鯛・・2